【ネタバレ有】『青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない』原作の改変について①
『【ネタバレ有】『青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない』について➁』はもうじき書き終わります。
内容としては、原作6巻の最後までです。
前回の記事はこちら
※この記事は映画の重要なネタバレを含みます。
予め、ご了承ください。
はじめに
今回取り扱うのは、映画『青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない』です。
贔屓目なしでも名作だと思います。
私は名古屋で公開初日にライブビューイングの部を観て、その一週間後また観に行きました。
原作は『さくら荘のペットな彼女』で知られる鴨志田一氏によるライトノベル『青春ブタ野郎シリーズ』の5・6巻がベースとなっています。
私は、もともと原作ファンで、アニメ化直前に江の島の聖地巡礼もしてきました。
今回の映画は、絶賛の声が多数です。しかし、公開当初は原作ファンからの困惑も一部見受けられました。
その理由は、アニメ化につきものである「原作の改変」。
大きくまとめて、3点の変更点があります。
①時系列の変更
アニメシリーズでは、終盤の展開が早められ、原作における5巻を無理やり詰め込んでいます。ラストシーンは金沢で咲太と麻衣が仲直りするシーンで終わります。そして、ED『不可思議のカルテ』が流れて時間も経過し映画につながっていくとのことです。
ただ個人的にはこれは良改変だと考えています。
映画では2冊の本を89分にまとめていますから(ただでさえ濃い内容なのに)、要素を可能な限り外していることは初見の人への配慮として好印象です。
②砂浜の少女(アニオリ)
映画の冒頭には、手を後ろで組んでいるセーラー服姿の少女が砂浜を歩くシーンがあります。
その後にタイトルが映し出されるので、私も当初は翔子ちゃんだち考えていました。
しかし、その少女は牧之原翔子ではなく、桜島麻衣の可能性が有力になってきました。
映画の終盤、麻衣が出演した映画「春が来る、冬が去る」のポスターが壁に貼られているシーンが写されます。その少女こそ、冒頭で出てきた少女だったのです。
テレビシリーズにも描かれていたように、当初麻衣は貞子風の怪談映画に出演したことがきっかけで脚光を浴びました。しかし、小学4年生の翔子ちゃんの世界改変後には別の映画「春が来る、冬が去る」に出演したことになっていました。
解説をしますと、翔子ちゃんによる改変前の記憶のカケラが夢という形で周りの人々(咲太や麻衣)に影響していたのです。
そのため、心臓病の少女を描いた映画に無意識に出演したのです。
原作の最後の章は「やさしさとやさしさが手をつないで」というタイトルなのですが、内容を知ると本当にうるっとしてきます。
上の画像はTVシリーズopの1カットなのですが…もしかしたらこれも麻衣が出演した映画のシーンなのかもしれません。
今回はここまでです。
想定外に、③の内容が重くなってしまったため次回に回すことにします。
次回はもっともファンの間で物議を醸した「指輪」の話です。
乞うご期待。